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病気の原因の原因の原因は?

2018年もよろしくお願いいたします。吉田裕貴です。

先日は比較統合医療学会に参加してきました。旧い学会名は日本伝統獣医学会、その前は獣医東洋医学会と称していた学会です。人によってはなんとなく怪しい雰囲気を感じるであろう名称ですが、その内容は漢方や鍼灸についてだけでなく、本当に動物の身体に良いフードとはどういうものか?を改めて真剣に議論したり、西洋医学的な外科手術をするにしても、いかに動物の身体の負担を減らせるか?を検討したりと、幅広い内容を含んでいます。

普通に日本で暮らしていると、一般的な病院で漢方薬(最近、風邪に漢方薬を処方する病院は増えている気がしますが)や鍼灸治療を受けることはほとんどありませんので、東洋医学は非科学的で、時代遅れで、宗教的で、医学として信用に値しないもの、というイメージを持ってしまうかもしれません。
でも実際に東洋医学に触れてみると、約2000年前に編纂された中国医学のバイブル「黄帝内経」に既に今も解決されていない多くの病気の原因と治療方針に関する示唆がなされています。その内容は今現在の私から見て「うーん、確かにそういうことはあるかもしれない。」と感じるものです。

例えば心臓病について。犬では僧帽弁閉鎖不全症、猫では肥大型心筋症が多く発生します。心臓が悪くなる原因はそれぞれ弁の変性と筋肥大から起こる循環障害ですので、薬剤を使用して循環障害を軽減し、心臓の機能を少しでも長持ちさせよう、というのが現在の治療の考え方です。でも、そもそもなんで弁の変性が起こるの?なんで心臓の筋肉が厚くなっちゃうの?遺伝なの?食事なの?悪い細菌やウイルスに感染した?何か飼い方が悪かったのかしら?という疑問に対して、西洋医学的にはごく一部の遺伝的な問題を抱えた動物種を除いて「まだよくわかっていない」という回答をせざるを得ません。
一方、先述した黄帝内経では「喜びの感情が多過ぎると心を傷める」とされています。心臓を悪くした動物たちの診察をしていると、この子は本当にご家族から大事にされているんだなーと感じることが多々あり、また動物自身も社交的で人間大好き、明るいタイプの子が多いように思います。そう考えると、喜びの感情が場合により心臓の負担になることは本当かもしれないと、自分なりの臨床経験と合わせて納得するんですよね。あくまでも一つの考え方ですけれど。

黄帝内経とほぼ同時期、紀元前後に成立した仏教やキリスト教、古代ヨーガの思想などが現代でも人間の心の拠り所として十分に機能している事も含め、当時の先人たちの観察力と想像力からは獣医学領域も学べることがあるのかなと思っています。意外と書き始めたら筆が乗って長くなってしまいました。おやすみなさい。
(ちゃんと現代医学も勉強していますので、皆さまどうかご安心ください)






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仙台市泉区のパセリ動物病院スタッフによるブログです。

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